大量のシメジを並べて敷布団。
えのきだけ切ってホグシて掛け布団。 マッシュルームを切って重ねて安眠枕。 蛇口をひねると戻し汁。 日替わりキノコの戻し汁。 えりんぎ机に、平茸ソファ。 なめこでぬるぬる肌保湿。 孫の手孫の手アカカゴタケ きのこふかふかきのこのこ。 舞茸手袋、松茸耳当て、それでも寒けりゃカエンタケ。 暑い夏にはウスキキヌガサタケちゃんを、着ちゃって、歩いて、捕まって。 梅雨のうじうじ、ソライロタケ差し、とんでいけ。 お箸で使ったキツネノロウソク。暗い夜にはヤコウタケ。 お風呂上りはヤマブシタケで、拭きます身体。丁寧に。 本に挟んだピクシーパラソル。 嫌いなあいつになげつけフスベ、好きなあの子にタマゴタケ 誰か僕ときのこ生活はじめませんか? 水が浮遊している 大きな水の塊が。
街一つ分くらいの 本当に 大きな水の塊が 浮遊している。 手を大きく広げたみたいな形で ぎゅっと一つに固まったり 薄く伸びて大きくなったり 時には丸くなったりと 徐々に 形を変えて 水が 空に 浮遊 している。 浮遊する水の群れ 浮遊する水の群れ 大抵の人間にとってこんなに大きい水の浮遊は始めてのこと。 大きな連なり 水の空 街を覆って 水の空 単体の振りをして水は群れで動く たくさんの水の群れ。浮遊する水の群れ。 沈んだお寺を見るように 不思議な気持ちで水を見る。 水は群れて のびのびと 浮遊している うっとりと 水の速度で ゆっくりと。 浮遊する水の群れ。連なり重なりゆっくりと。 群れを通る太陽が乱反射して地上に水の形を馴染ませる。 眩しい水の中にいる。街は水の中にある。 たくさんの水の群れ。 地上を水の影に染めながら。 浮遊した水たちは街を通り過ぎていく。 浮かんだ滅びた文明の、お城か遺跡を見るように 不思議な気持ちで 水が浮遊しているのを見ている。 ここが水の底なのか。 水洩れ日で、形の決まらない波紋で、きらきらする街で、 僕は子供のころ近くにあった沼のことを思いだした。 この街で起こった初めての皆既水食の話。 皆既水食で 水に覆われた 街では 次の日 不思議なことが起こる。 この街に訪れた初めての皆既水食の日。 水食がなぜ起こるのかはまだ分かっていない。 ジャカルタでは大抵のことが4分で済んでしまう。
らしい。 そんな街なんだ ジャカルタで流れている歌 ジャカルタで喧嘩しだす夫婦 どれもが4分間の出来事で。 ジャカルタでの人生。 ジャカルタでの一日。 ジャカルタではどんなことでも4分間で済んでしまうみたいで。 とても残酷だけれども濃密に凝縮された一滴の平凡な一瞬。 どんな出来ごとだってぎゅっと絞れば4分になってしまう街なんだジャカルタ。 食事も4分ならばトイレも4分夢も4分ならば恋も4分。 で終わってしまう。 とても寂しいのか、たくさんの経験が出来て楽しいのか それはジャカルタで生きてみないと分からない。 他所の人間からすると食事が4分で終わって人生も4分で終わってしまうということの何がどうなっているのか感覚的に分からない。 ジャカルタ・・・。 ふぅむ。 はてさて。 愛の街ジャカルタ 死の街ジャカルタ はたまた歌と音楽の街ジャカルタ。 ジャカルタで森を燃やすと フィリピンでバナナが全滅してしまうらしい。 という噂を聞いたことがある。 ジャカルタの魚を一匹殺すと、韓国のキムチが甘くなってしまうらしい。 という噂を聞いたことがある。 ジャカルタで拾った靴下を投げたら4分後にアフリカでみつかったなんてこともよくあるそうです。 ジャカルタ じゃかるた? ジャッ・かる太 ジャカ 邪か 蛇か ジャ科 じゃか ジャか じゃカ ジャカ ルターーー 色んな響きを持つ魔法の言葉 Jakarta~ じゃかるた~♪ ジャカルタ~☆ わっ! じゃ狩る他! ジャカルタの教会には猫が住んでいて その猫はとてもたくさんのビールを飲むらしい ジャカルタでつくられたビールをジャカルタの猫が飲んで ジャカルタで投げた靴下をアフリカの人が拾う なんかがちょっぴりワンダーランド 僕の知らない世界みたい。 世界は広いようで狭いみたい。 ジャカルタってどんな地理なんだろう。あるのかな地図。 あれ?いま笑いました? 嗤いましたか? じゃぁ。あなたがジャカルタですね。 ジャカルタで虹が3本かかったそうな。 東の空に一本 西の空に一本 北の空に一本 何故か南には虹が無かったそうだ。 それを見て ジャカルタの人たちは大声で笑ったそうな。 他の国にはわからない ジャカルタだけのマナーで わあ。はははははは。わぁわぁぁぁ。ははははははは。おっかしいねあそこ一本だけないの。わぁ。はははははは。イヤんなっちゃうね。はははは。わぁはははは。 ジャッ・カルタ! 4分というのはとても長い。 僕の知っている4分はもう何十回と終わった気がする。 4分間 たった 4分間 4分間で終わってしまう 食事 恋 人生。 子供時代も4分ならば 大人の時代も4分間 老後の生活4分間 人生全ても4分間 不思議な街なの ジャカルタ ジャカルタの街では坂を下り続けると 虎が 襲い掛かってくる。 だからジャカルタでは坂を下ることがとてもよくないことだとされている。 その国のルールには従ったほうがいい。 世界を前に無邪気に喜ぶ人でありたい。
わたしの名前は久世という。 わたしはわたしを詩人という。 「なんだお前」と人はいう。 いつでも裸で走りまわって泥だらけ わたしの名前は久世という わたしはわたしを詩人という 「あほかお前!」と人は言う 人をからかい走り去り、言葉の後ろに隠れて笑う わたしの名前は久世という わたしはわたしを詩人という 「次やったら怒るから」呆れた顔で人はいう。 僕の作法は一つだけ、好きな人と会うときに、電話もせずに家に行き、 チャイムを鳴らしドアを叩く。 出てくるまでしつこく鳴らし呼びかける。 遊んでほしい遊びたい。 もしも返事が無かったら「いつもの公園行ってるね」と言い残し、 次のお宅、あなたのお宅に駆け付け、声を出す。 誰に対しても「あーーそーーぼー」、世界に向かって「あーそびましょーー」 裸が服着て歩いてるよな男の作法。相手も脱がずに居られない。 血は言葉で出来ている
骨は言葉で出来ている 身体は言葉で出来ている 世界は言葉で出来ている 宇宙のことを音にして、口に出し、声にする。 僕は言葉出てきている 君の言葉で出来ている 君も言葉で出来ている? 僕の言葉で出来ていると嬉しい 言葉は意味で出来ている。 意味は言葉に出来ないけれど。 意味が世界を歩いてる。 お腹を空かせたお昼過ぎ、こういう言葉をおやつで食べる。 眠れない夜は、詩に噛まれたと思って諦めなさい
ざわつく朝は、詩に噛まれたと思って諦めなさい 息を吸うのも苦しいときも、詩に噛まれたと思って諦めなさい この時間が終わらなければいいのにという時は、詩に抱かれているんだと思って目を閉じなさい。 見えなくても常に世界は詩とともにある。 抱えきれない辛さも滅多に起きない喜びも身体に詩が通ること。 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
消えそうとか溶けそうとか 自分の身体 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ そう思ってからの自分の身体 もうとっくに形がないのにね。 消えそうとか溶けそうとか あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 消えそうとか溶けそうとか 自分の身体 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ そう思ってからの自分の身体 もうとっくに形がないのにね 自分が積み上げた世界の全て。 |
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1月 2021
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