眠りが起きていた。
下を向いて地面に絵を描いている 誰か一人でも起きていると眠れないんよ。 皆を眠りに連れて行くまで眠れないんよ。 このとき、世界で起きているのは僕だけだと眠りはいう。 僕は彼に手を差し出してこういった。 一緒に寝よう。 こんなこと初めてだ。人が眠ることを見始めてから初めてだ。 そうやって僕は眠りと夜を共にした。 他の誰かが起きるまでの凄く短い時間の話し。 (謎夜 7247夜目より抜粋) 私は死んだら青くなる。花で埋もれて青くなる。
月の光で青くなる。 人の涙や声や海の色や空の色。 体にためた青が死で溶かれ 死んだら優しく青くなる。 花で埋もれて青くなり 不規則に揺れるだろう。 私は青く揺れるのを楽しい気持ちで待っている。 (謎夜 1918夜目より抜粋) 1417年
1289年 2492年 詰め寄る空気 まとまりのない寒さ 230年 671年 3年 4519年 寄る辺ない身体 むき出しの肌。 人間たちの出来事。 その時からある夜のこと。 時間を上から見て バラバラだけど 並べず 散乱した 次元で 街の冬ごと、摘まみ上げる今。 (謎夜 248夜目より抜粋) 透き通った船
毎日のあいさつとしての日差しや雨や風、星や夜の闇。 その日の波のリズムで煮込む 誠実と実直 顔色を窺わない 私もこの味の中にいる (謎夜 9448夜目より抜粋) 地面に人差し指をつけ 星を舐める。
走る。 心臓に人差し指をつけ 鼓動を舐める 瞬きをした目に指をあて 暗闇を舐める。 まだできていない。この星も鼓動も暗闇も。 今はちょっと味見程度のつまみ食い (謎夜 6503夜目より抜粋) 色を塗っている間だけ時間は進まない 今日も誰かが色を塗り だから夜はあるという。 息を止めている間だけ時計は動かない 今日も誰かが息を止め 夜はここにあるという 私も塗る 私も止める あと、歌を唄っている間だけ夜は変わらないみたい 私は歌うのをやめない (謎夜 3135夜目より抜粋) そが5つ
手を繋いでいる。 そそそそそ 胸を張ってる そそそそそ 滑るように滑らかな移動 そ そこから滑空したりする。 でも そ は そ 。 そんな そ が私を大きく震わせる。 (謎夜 1254夜目より抜粋) 大きなボールに飛び込んだ。 私は衣を身に纏う。 鍋に飛び込んで揚がる。 熱で私はくるくる回る。音で私はころころ笑う。 揚がる喜びの確認と捧げる喜びの交歓の後。 私を夜にするため目を閉じた。 (謎夜 6401夜目より抜粋) |
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1月 2021
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