さぁ ミュニュエル おあがりよ わたしゃ たくさん いただいた さぁ ミュニュエル おあがりよ 感謝と地響き 言葉と 空と ミュニュエル ただ手を見せてみな その手にあるのは 蝶番 その手にあるのは カバリのダネリ ミュニュエル 私を おあがりよ わたしゃ たくさん いただいた 大きなべろで 泉と 音と ミュニュエル 私を おあがりよ 楽しい 宴は続くんだ 混ざってじろっとこぞってたどる ごろっとどろっとじろっと笑う ミュニュエル 私も いただくよ みつめるあんたを いただくよ 私は 私で あんたを貰う さぁミュニュエル 始まりだ アゴで私は土を割る 肘であんたは海を摘む あんたは私 私はあんた 上りも下りも同じこと うれごろなんどもごろごろほほほ ぽるぽる ふるふる ふうふう ぶるる ぬいぬい ぬいぬいがきてぬいぬい ぬいぬい ぬいぬいぬい ぬいぬいがきてぬいぬいぬい ぬいぬい は とんとん とんとん は ぽんぽん ぽんぽん は ぷんぷん ぷんぷん は ぬいぬい と こんこん ぬいぬいはくいくい くいくいはぺんぺん ぬいぬい ぬいぬい ぬいぬいがきて ぬいぬい みんみん みんみん みんみんなみんな ぬいぬい 私が空に浮かんでて、 私はここに居て、 私は海に沈んでて、 それぞれを別の場所から見ている私が いて。 でも、指一本だけ、 どこかに飛ぶときに 指一本だけあなたに、くっつける。 どこに居てもそこに戻る。 私が空に浮かんでて、 私はここに居て、 私は海に沈んでて、 それぞれを別の場所から見ている私が いて。 でも、指のほんとに先っぽだけ。 くっつけていると、どこに沈んでも ここに居れる。 どんなにくるくる回っても、どこかに引っ張られても。 少しだけ 触る 感覚が私をここに戻らせる。 (謎夜 3805夜目より抜粋) 質量のある闇の中。 手の畑では腕が頭を垂れて眠ってる。 真ん中に立ち目をつむる。 目をつむって何千という腕の畑を上から見てる。 開けると全ての手がこちらを向いていた。 何か嬉しい。 自分を夜にして歩き一つの手を握る。抜く。 そしたら、私は土の中。 手だけ出ている。手で見る景色。手でする呼吸。 ひと眠り。誰かが抜くまでひと眠り。 ぬかれた腕は私になったか。誰かだったか。 人眠る。人眠る。収穫を待ち ひと眠り。 (謎夜 8204夜目より抜粋) その家ではたくさんの湯気がのぼっていた リビングでは特にたくさんの湯気が。 たくさんの湯気はそれぞれリズムとスピードが違う 私は黒い服を着た女の人が湯気といるときその家で目を覚ました。 湯気を従えるでもなく、飼いならすでもなく でもその人がその湯気があることを許すから湯気はたくさんそこにある。 それは起きてすぐに分かった。 私が起きてもその人は特に何か反応をするわけじゃなく、淡々と 湯気に直接は関係のない作業をしている。 それが湯気たちのリズムとスピードを少し楽しいものにしていた。 湯気たちははっきりと言わないけど、この場所が好きみたいだ。 不思議と結露はなくかすかなレモングラスの匂い。 湯気たちで部屋の輪郭は少しだけはっきりとしない 湯気たちでたくさんの層があるのに一つの層にしか見えない 少し空気の質が違うきちんとした一つの空間が不思議だ。 ここと女の人のいるすぐそこは全然場所のように感じるけれど 湯気があるから必ず同じ場所なんだな。 まだぼんやりとした頭でそんなことを感じながら たくさんの湯気を見るともなしに見ていると だんだんそれがボレロだと分かった。 その瞬間女の人はこちらを見ておはようと言って 僕にしかわからないと思うかすかな感情を出した。 湯気が奏でるボレロは楽しさと妙なおかしさを増す。 湯気でここはあたたかい。湯気は少し恋。 その家で私はこのまま うすぼんやりとそこに在る夜の眼。
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1月 2021
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