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詩

謎夜 しゅるちゅる

1/26/2019

 
月が産まれる前を見た。
この月はまだ産まれてない。

静かに月の気配だけ。
生きていない気配だけ。
空も雲も見守る。クルム。
上手に月を温める。

少し揺れたように見えた。
消えてまた光る。

産まれたての月がいた。生きてる月の気配だね。

もう心配しない。空も雲も。

月も新しく生まれてる。ときどき。

見かけてもしゅるちゅるは我慢。
しゅるちゅるは我慢。



(謎夜 6315夜目より抜粋)

謎夜 笑ったらダメ

1/26/2019

 
森の中や海辺を歩く。
ずっと昔私だった木や貝がいずれ化石になって
今の私を見ている・今の私もそれを見ている

私と私/にらめっこ/世界

時間はどこ。私はやっぱり何時もここ。

       笑っちゃう。
(謎夜 450夜目より抜粋)

謎夜 蒸す

1/26/2019

 
自分の真下地中深くに炉がある。
身体を毛布で綺麗に包む。
毛布にくるまるのではなく、
真ん中にいる自分が支柱となって。
出来るだけ綺麗に大きな空間を創るイメージで身体とその周りを包む。

そうして、毛布の中に言葉を入れる。

今日は、緑、鮫、笑うための命、鳥の声。

炉が身体と言葉を温めて、溶けた言葉で私は蒸される。
言葉は身体に寄り添って。身体は言葉に少し委ねる。
 
 私はその日その言葉。炉は常に真下にある。

(謎夜 7036夜目より抜粋)

謎夜 私は居るよ

1/26/2019

 
時間がいじけていた



誰もずっとは居てくれない。
いつも僕だけ残るんだ。

私は時間のそばに行く。
時間は私と距離を取る。

時間の眼を見て近づいていく

時間は照れくさそうにしてもじもじこちらと距離を取る。

(謎夜 4254夜目より抜粋)

島巡りの遊覧船

1/26/2019

 
南の島に行って言葉を捨てた

言葉とともに身体を捨てた。

北の島に行って言葉を見つけた。

見つけた言葉の側にいた。


西の島に行って言葉を知った

知って見つめて抱きしめた。

東の島に行って言葉を忘れた。

忘れた言葉に看取られた。

船は進む

プラスの日+

1/26/2019

 
最初にすれ違ったおじさんはマスクをしていた+


​男性にしては小柄。たまにすれ違うおじさん。
今日はこのおじさんから始まった+
+僕よりゆっくりな速度で歩いていた++
 
マスクのおじさんはすれ違う15歩手前くらいの距離感で気持ちよさそうに大きく
息を吸ったらしく胸が少し反り、代わりに背中がくぼんだ。
その時のおじさんはひっくりかえした蟹のお腹の部分にそっくりだった++
そんな日もある+の日
 
目が覚めたら今日は家の中にある鍋を全部ピカピカにすることが決まっていた
寝ている間に何かあったのか。その強い決意とともに目が覚めたからするしかない++
そんな日だった++
 
+さっきのおじさんは今年始めて僕が目撃した人間だった。
 
+今の人は今年初めてのハゲだ+
 
今年最初の「子供が泣いた」だ
バナナの皮を剥いた時の音がした+
 
+びっくりすることが起きた。
掃除道具の売り場におでこのしわがひよこそっくりのおじさんがいたんだ+
僕だけおじさんのことをじろじろ見ていた。
そしたらひよこと目が合った。少し下を見るとおじさんがこちらを怪訝そうに見ていた+
みていることがばれた+
 
何百年か後には瓦礫の街を今は凧がたくさん飛んでいる。
プラスの日。
 
今日外に出るときドアを開けたときうちに入った風は鳥の鳴き声みたかった。
外に出て最初に触った光は牛乳みたいな色してた
 
僕はとてつもなくフラットな気持ちでいる。これ以上ないくらいフラットな気持ちでいる。
フラットな気持ちでいると自分が世界中のだれからも見えてない気がしてる。今。
見えてなくてもいい。僕が見てるから。眼だけになって浮かんでいたいから。
実際はにやついた顔も乾燥した肌もここにあるんだけど。あるのにないのがいいんだけど+
 
そんな日もあるそんな日だったそんな日になるプラスの日++
 
鍋は今日一つだけピカピカになった+
 
 

    詩

    描いた詩を載せていきます。過去のものも載せていきます。
    ここの詩は変奏したり描きなおしたりします。そのたびにUPします。
    ​全てが一旦完成であり、下書きです。
    時間とともに同じ詩が移り変わる姿もお見せしたく、詩に読了はないように、詩作に終わりはないと考えています。同じ詩でも時間が流れたら形は変わる。変わらないものもある。と思っています。

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