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詩

謎夜 夜交ぜ 風原

4/29/2018

 
夜交ぜ 交ぜ交ぜ 夜交ぜ交ぜ
口がぺちゃくちゃ 夜交ぜ交ぜ
 
風が走って夜が交ざる
手のひらの夜が膝で笑う。
 
(謎夜 4003夜目より抜粋)

謎夜 道路の夜

4/29/2018

 
道の先 白の中
  歩いたよ
   また同じ場所 外からは世界が膨らむ音
進めなくなった 道路の夜
(謎夜 7325夜目より抜粋)

塗り替えされた空

4/28/2018

 
 
血は流されないといけない。 
 
ただその時人は死ななかった。
直接それで死ぬまでに至る人はいなかった。
 
 
そのとき空は限界で。ひび割れだらけで。
空の向こうに置いてきた、穢れや、不安や、絶望的な破壊衝動が
いつ出てきてもおかしくなくて。
 
そうしたら、もう血は流されないといけない。
一人一人が一定の量の血を出して、空を塗りなおさないといけない。
 
全員の血が必要です。
 
塗りなおした空は最初はずっと不穏な錆色をしていたけれど、
そのうち、馴染んで、きちんと昼は青く、夜は黒く、
曇りはくすんで見えるようになった。もうでこぼこもひび割れもない。
 
 
空をみたとき、この言葉が身体の中に落ちてきた
 
血は流されないといけない
 
空は血が乾いたものだったことがそのとき分かった。

悪いことじゃない。血は誰にでも流れている。
 
 
血は流されないといけない。ただ、そのことで、誰かが死ぬことはない。
血の色は安定しない。だから毎日空の色は違う。
私も空を保つためならいつだって血を流す。それで死ぬことも無い。
 
これを空に返します。

随分前のことである

4/28/2018

 
信じる方が簡単だ。絞首台で男はそういった
 
それは考えてないってことと違うのか?
本当にお前が決めたのか?
 
あなたを信じる。
見たくない考えたくない じゃないのならいいけどな。
 
 
疑うことがいいんじゃない。信じることがいいんじゃない。
感情に流されず、あるいは流されたその先で、
自分で決めたかどうかだよ。
 
 
この中に俺が本当に「したかどうか」分かるやつはいるのか?
あの証拠もあの証言も本当に本物だったのか?本物だったら俺は死んでいいのか?それをお前も決めたんだよな。
 
俺は階段を上った。ここにいる景色をみせてやりたい。
そういって男は死んだ。
 
 
随分前のことである。
 
私は今階段を上っているのだろう。毎日を使って。
絞首台に続くのか天国に続くのかその時が来るまで分からない。
 

謎夜 目から海になっていく

4/28/2018

 
魚のナイフで木を削る
たちまちナイフは泳ぎ出す

魚のナイフで人を刺す
たちまち人は海になる

私の身体は今、海だ。

(謎夜 5504夜目より抜粋)

謎夜 公園と灯台

4/28/2018

 
イカの涙で公園が流された。
私はお酒を口に含む

イカの涙で灯台が流された。
私はお酒を飲み干した。

公園は流された先で譜面になって
灯台は大きな亀になった。

私はイカの背に乗り舞を舞う。
イイだけ泣くイカ 泣き止むまで今日は二人。

(謎夜 5672夜目より抜粋)

謎夜 通り魔

4/28/2018

 
俺の名前はポンコンだウェェ~イ!
  正体不明のポップコーン、ウェェ~イ!

私は目を閉じる。
(謎夜 30830夜目より抜粋)

謎夜 鉄球

4/28/2018

 
転がってきた鉄球に触った。
私、丸くなった。
鉄球として眠る。
まわる。
最後つるんていくとき楽しい。
と思ったら元に戻った。
鉄球がこっちを見ていた。
色んな大きさの鉄球が、
ニヤニヤしながらこっちを見ていた。
照れくさい。私はヒト。
ここは鉄球の夜。

(謎夜 1404夜目より抜粋)

謎夜 立つ

4/28/2018

 

​水が滴る音がする 波が広がる声がする
     
      真ん中に人


(謎夜 1266夜目より抜粋)

謎夜 私はそれを見た

4/28/2018

 
ある夜のこと。
全ての桜の花が集って
染み1つない
織った気配も何もない
ただ一枚の布になった。
桜の粋(すい)。
布をかぶる。   桜は私。 
   最後まで咲く。
布越しの木も土も空も人も夜も繚乱。
(謎夜 10060夜目より抜粋)
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    詩

    描いた詩を載せていきます。過去のものも載せていきます。
    ここの詩は変奏したり描きなおしたりします。そのたびにUPします。
    ​全てが一旦完成であり、下書きです。
    時間とともに同じ詩が移り変わる姿もお見せしたく、詩に読了はないように、詩作に終わりはないと考えています。同じ詩でも時間が流れたら形は変わる。変わらないものもある。と思っています。

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