ゴーヤが一房空から垂れてな
オレンジ色して空から垂れてな そろそろみんな起き出してな みんなの目が開いてきてな ゴーヤが空から一房垂れてな すーっと静かに降りてくんのに みんなあんまり気づかんくてな 自分だけそれ見てるかなと思たら 気づいてる人もいんねんな オレンジ色して、青い空に垂れてるからな 気づいた人は気になってんねな この場所見上げた人、 オレンジ色したゴーヤに目あった人 昨日までなかったんやけどな だんだん晴れてきたな 青の中にずっとあるゴーヤが 電車の中でも消えんくてな あんなか入ってみたいなって思ってん 空にゴーヤが浮かんだ日 夜はゴーヤの種になって寝た日 オレンジ色になりたいな。 おしまい あんな
エメラルドの色したぺーちゃんがゆらゆら 顔がのぼせた顔してるわ あんな エメラルドの色したぺーちゃんがな おへそがぷっくり。骨がこっそりしてはるわ。 エメラルドの色したぺーちゃんがなゆらゆらしてんねん。 そうするとな。 なんか全部がゆらゆらしてくんねん 顔は笑ってはったり張り詰めてはったりするんやけどね。 いまもな エメラルドの色したぺーちゃんが本物か嘘かわからんような色して のぼせそうな顔して笑ってはるわ。 なんか肩はあったまらへんねんな。エメラルドやのによ。 じゃあ行ってくるねとあなたは言う わたしは 心臓の音を数え始める あなたにまた会うまでの心臓の音を あたなにまた会うために心臓の音を なるべくあなたの姿を見ながら 心臓の音を意識しないでいたい 二人で居るときは何故か気にもならない心臓の音。 一人でいる時間 私は心臓の音ばかりを数えてる 次会う時まで止まらないように。 1.2.3.4.5.6.7. 宝を見つけた カステラをつまむ 宝を隠した カステラをつまむ カステラがなくなったので 私は途方に暮れて。 みんなが遠いところからこちらを見ている。 (謎夜 360夜目より抜粋) 空一面に足が伸びてきた 腰のあたりでつっかえて止まってしまった 足の先から腰までのそれはあまり動かず かと言って死んでもおらず、 よくはないけど、たまにある一日というような 雰囲気を持ってそこにある。 この足は違う世界の空に 飛び出ているのを知ってるんだろうか。 この世界で私が認識できる限り、この足はみたことがない透過性の水色をしている。 金属の香りがする水色で 常に表面が循環しているようだ。流れを感じる。 単細胞生物のように透けている中には銀河のようなものがいくつも見える いい景色をみたときのような吐息ばかりを集めてつくられた水色。 そう見える。 謎夜 音氷魚その魚が通ると音が凍るという 夜の中の音たちは夢で魚に会うという。凍った音が一つ溶けたら魚は夢を見るという。
音たちは凍っているあいだだけ静かにそっと音を脱ぐ (謎夜 3955夜目より抜粋) 謎夜 水の医師水の医師 叫ぶ キャベツの中の夜が泣く(謎夜 80夜目より抜粋) |
詩描いた詩を載せていきます。過去のものも載せていきます。 アーカイブ
1月 2021
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