味蕾
味がしたんだ あのとき。 喜びで。 初めてのことだった。 大事な言葉を呟いたあのとき。その感情の味がした。 喜びをカタチにした言葉を 世界に声という質量のある物体で 現実に具現化できたあの時 口にされた間だけ、空気が震えている間だけ、 それが確かに存在することを確認できたあのとき。 言葉の味か喜びの味か。 風味や匂いはなく口の中だけ透明な味がした。 唾液が出たんだ あのとき 咀嚼を促すように。 言葉の味か喜びの味か。 僕は自分の喜びをかみ砕いて飲み込み自分の血肉にしたのだろうか。 喜ばしいことを口にするとき、 その言葉が発声されているとき、僕は味を感じた。 喜びを口にするときにした味の話。 悲しみにも味があるのかしれない でも悲しい時は麻痺してるから、 味を感じる余裕がない。 新しい味蕾を見つけた話。
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2/11/2018 12:46:38 am
あまりに、この詩がすごくて
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2/11/2018 12:57:49 am
久世さん、ありがとう。
久世
2/11/2018 09:18:50 am
ありがとう。 コメントの受け付けは終了しました。
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1月 2021
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