マックライルカはこういった
魚はからかうもんじゃない マックライルカはこういった 海は育てるもんじゃない 夜は抱えるもんじゃない マックライルカは暗闇の中身体を伸ばしてぽかんと笑う。 眼の前が動く 眼の前の前が動く (謎夜 1705夜目より抜粋) モゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾ
(謎夜 7000夜目より抜粋) ピアノがあった。空気に溶け込んで目に見えないことが多いピアノ。 この夜にはたくさんの何かがいる。 この夜からずれたところにもたくさんの何かがいるだろう。 この夜のたくさんの何か、ここと少しずれた世界のたくさんの何か、 全てのイキモノのため、全てのイキテイナイもののため、 存在している全てのコト、 そして私のためにも、ピアノは音を捧げる。 それは終わらない夜のトモシビ。 (謎夜 1001夜目より抜粋) 亀が足を動かしている。 歩くでもなく、登るでもなく。 ただ、そこで足を動かしていた。不規則なリズムで。どこをみるともなく。 亀は少しずつ老けていった。ああ。時を刻んでいたのか。 私は、亀を見る。 少しして、亀は晩年の顔をして言った。 こうしたいなんてことも思わずにここに居た。 私はいずれ居なくなる。でもここに居る。まだ、ここに居ない。 亀は消えた。私は足を動かし始めた。歩くでもなく。登るでもなく。 (謎夜 4284夜目より抜粋) 私がいるから今はここ。
今は上から下から、もっと後ろからもっと前からちゃんと今。 ちょうど今。 肌だけを干して中身は走る。 縛りがないと何を超えたかわからない。 しなるように唸る夜。 干した肌はすぐに体によく馴染む (謎夜 1113夜目より抜粋) 私はここに根付くことにした。 身体を溶かし、崩し、一部は砂に、一部は土に、もっと奥に潜り、石に、純度を高め結晶に。また他の一部は根を張り、芽を出し、私自身を支えている。 結晶になった私の一部がまだ潜ると、大きな川があった。 根付いた結晶のみんながいる。私もそこに私を流す。私を渡す。 私はここに根付くことにした。 耕し、機(ハタ)を織り、笑い、歌い、眠り、紡ぎ、繋ぎ、継いでいく。 これを同時にやっている。 (謎夜 920夜目より抜粋) |
詩描いた詩を載せていきます。過去のものも載せていきます。 アーカイブ
1月 2021
カテゴリ |