血は流されないといけない。 ただその時人は死ななかった。 直接それで死ぬまでに至る人はいなかった。 そのとき空は限界で。ひび割れだらけで。 空の向こうに置いてきた、穢れや、不安や、絶望的な破壊衝動が いつ出てきてもおかしくなくて。 そうしたら、もう血は流されないといけない。 一人一人が一定の量の血を出して、空を塗りなおさないといけない。 全員の血が必要です。 塗りなおした空は最初はずっと不穏な錆色をしていたけれど、 そのうち、馴染んで、きちんと昼は青く、夜は黒く、 曇りはくすんで見えるようになった。もうでこぼこもひび割れもない。 空をみたとき、この言葉が身体の中に落ちてきた 血は流されないといけない 空は血が乾いたものだったことがそのとき分かった。 悪いことじゃない。血は誰にでも流れている。 血は流されないといけない。ただ、そのことで、誰かが死ぬことはない。 血の色は安定しない。だから毎日空の色は違う。 私も空を保つためならいつだって血を流す。それで死ぬことも無い。 これを空に返します。 コメントの受け付けは終了しました。
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1月 2021
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